太宰治作品「灯籠」朗読

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灯籠 太宰治

言えば言うほど、人は私を信じて呉(く)れません。逢うひと、逢うひと、みんな私を警戒いたします。ただ、なつかしく、顔を見たくて訪ねていっても、なにしに来たというような目つきでもって迎えて呉れます。たまらない思いでございます。 もう、どこへも行きたくなくなりました。すぐちかくのお湯屋へ行くのにも、きっと日暮をえらんでまいります。誰にも顔を見られたくないのです。ま夏のじぶんには、それでも、夕闇(ゆうやみ)の中に私のゆかたが白く浮んで、おそろしく目立つような気がして、死ぬるほど当惑いたしました。

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